保育士が園選びでチェックすべき3ポイント

こんにちは。カウンセラーの早川です。
元保育士として、また日ごろ保育士さんの転職相談にお応えしていると、「思っていた園と違った」「持ち帰り残業が多い」「出産後は働けない」などの理由で早期離職される方が多いなと感じます。そこでいつも思うのが、本当に【園選びのやり方】って大事だなということ。

保育士は、良くも悪くも狭い世界です。
他の職業に比べ、就職活動や企業研究の時間も短く、あまり園の中味を知らずに就職を決める。園の方も、一般企業に比べて、働き方や園の内情についてあまり細かい説明をしない。
そのため「入った後に、手取りのお給料がとても低いと知った」「離職率が高い園だった」「持ち帰り残業が思った以上に多くて休めない」「縦割り保育に疑問を感じ始めた」などというギャップを感じて転職される方が後を絶ちません。
5年後、10年後も笑顔で働ける職場を見つけるために、大事なポイントをご紹介します。
ポイント1.園選びの軸を明確にしよう
園探しをする上で、一番重要なのが「自分にとって重要な園選びの軸を知る」ことです。そして、それらに優先順位をつけること。
同じ園でも、人によって感じ方はまったく異なります。例えば、最近は小規模園が人気ですが「個別対応ができてうれしい」という方も「現実的には先生の負担が大きくて避けたい」という方もいます。100人が100人とも「いい!」という園はありません。なので「自分がいい!と思う園の基準」を見つけることがとっても大事なのです。

例えば、以下ならどちらを選びますか?

●「縦割保育」と「年齢別保育」なら、どちらを選ぶ?
●「集合型」と「自由・個別型」なら、どちらを選ぶ?
●「園の方針に納得できるか」が大事?「お給料やプライベート」を重視?
すな場では、このような質問に加え「残業時間はどれくらいまでOKか」「土日勤務はOKか」など、あなたの優先順位を一緒に具体的にしています。
ポイント2.園の雰囲気を自分の目で確認しよう

保育士の離職率の1位は「人間関係」。女性が多い職場ですし、ある程度は運とも言えますが、なるべくなら回避したいですよね。そのためには──



●できれば「3日程度の園体験」がおすすめです

園の実情を知るには、3日程度の園見学をすることをおすすめします。現場に入り込み、先生がたのやりとりや、方針、親御さんへの接し方などを自分の目で確認します。先生がたと話す機会も多いため「行事が多い園だけれど、先生の負担が大きそう」といった方針と現実のギャップを見極められたり、逆に「案外、先生同士の連携がある園なのだな」と納得もできます。

●忙しい方は「1日園体験」や「1日で3園を見学するツアー」をどうぞ

といっても、現職の方は現場見学に長い時間を費やすことも難しいと思います。すな場では、そんな方向けに、1日だけ園を体験できるコースや、1日で複数の園を見て回れるコースもご用意しています。逆に「数ヶ月働いてみて、じっくり判断して決めたい」という方向けには、その園で働きお金をもらいながら考えていただく長期体験コースもありますので、お気軽に希望を聞かせてくださいね。
ポイント3.離職率の高い園はこれで見極める

離職率が高い園が、必ずしも悪い園という訳ではありません。ですが、「多くの人が辛いと感じる人が多い」結果、離職率が高くなっているのもひとつの事実だと思います。こういった園を見つける方法を、皆さんには身につけていただきたいと思っています。

▼離職率の高い園を見つける6つの質問

「離職率と、離職理由を教えてください(去年・今年の退職人数を教えてください)」
「新卒3年目以内の先生は何人いますか?」

こういった園は、先生の出入りが多いこと、新卒で若い先生が多いことが特徴です。特に「離職率」が30%を越える園には、人間関係が悪い、忙しいなど、何か理由がある場合が多いです。ただ「新卒が多い」ことは「新規オープンが多い法人」「学校にコネがある」など、離職率には繋がらない場合もありますので目安程度にチェックしてください。

「残業は繁忙期・通常期で平均どれくらいですか?」
「自宅でのサービス残業はありますか?」

残業ナシと言っている園も、行事前は画用紙を持ちかえって作業に追われる!という所が少なくありません。行事豊富な園は特に確認しておいた方がいいポイントです。

「(複数園を経営する法人の場合)各園のこどもの定員数は?」
「(複数園を経営する法人の場合)今年・去年異動した先生の人数は?」

複数園を持っている法人の場合、3月後半になって、望まぬ園に配属が決まることもあります。園によって雰囲気が全然違う場合もあるので、できれば園見学は全ての園に行き、方針やこどもの定員数も確認しておきましょう。これに関連して「園長会議で議論になるポイントは何ですか?」と聞くと、園ごとの特徴なども見えてきます。


▼他にも、こんな所に注意!

・求人票に「ボーナスは実績による」など曖昧なことを書いている園
・先生たちが、いつもバタバタしていて忙しそうな園
・入園してから何か月も経っているのに、子どもたちが落ち着いていない園
・廊下に物がたくさん置いてあるなど、整理整頓がいき届かない園
聞きにくいことは、すな場がお聞きします

上にも書きましたが、これらに当てはまる園=100%離職率が高い園という訳ではありません。忙しくても、先生方が円滑に仕事ができる環境を作っている園もありますし、異動が多くても先生の成長に繋がったという声も聞きます。さらに「とにかく忙しい方が楽しい」「忙しくても給与が高ければ問題ない」という方も多いので、人の価値観によって、好き好きだと思います。ただ、これらは多くの方が注意して損はないポイントだと思います。

また、すな場では皆さんが聞きにくいことを、代わりに園やそこで働く先生に聞いています。お気軽に「こんな園がいいんだけどなぁ」「この園はここが素敵だけど、こんな不安がある…」などと相談してくださいね!